なんでそんなに下手なんだ?

  
 まんが喫茶で食事をしたことはあるだろうか?
 店によっては提供する食事に力を入れていない店もあったりもします。冷凍の既製品を電子レンジで温めただけのレトルト食品とか……料理と呼べない、お金を払って食べることに抵抗を覚えるようなものとか……
 他の飲食店と違って調理師とか料理人と呼ばれるような人が必ずしも作っているわけではありません。ごく普通のアルバイトが作っている場合の方が多いのです。もちろん、店の経営者はできるだけ調理師の経験がある人材を雇い、お金を貰うに値する料理を提供しようと努力します。が、人件費を低く抑えようとすればするほど、腕のある料理人を雇うことはできません、間違いなく。
  
 私が働いている店では、過去に料理人と呼ぶに値するアルバイトが数名働いていました。今では一人もいませんが。
 現時点では私以上の料理の腕を持つ従業員は一人もいません。その私の料理の腕がどの程度なのかは、比較、検証する良いアイデアが浮かばないので説明できませんが、……まあ、以前働いていた料理人が自分の職場にスカウトしてくれる程度には腕があるという感じでしょうか。
 でも、どこかで修行したわけでもなく、調理師免許も持っていないようなレベルですよ、実際。
  
 そんな私が最近思ったことは、日本の家庭料理の未来は暗いなあということ。
 なんでそう思ったのかといえば、店にいるアルバイトの中には主婦とかまあ、それなりの年齢の女性がいるわけです。その方々に店で提供しているメニューを作ってもらうのですが、正直それを食べたいと思ったことは一度もないですね。下手というか、センスがないというか、自分でそれは食べたいと思うのか?、金を払うのか?というようなものしか作ることができないし、一つのメニューを作るのに時間がかかりすぎるのですよ。
 時間がかかりすぎるというのは、飲食店においては致命的な事です。どんなに美味しくても、普通は5分〜10分で提供できるメニューが20分とか30分以上かかったら駄目でしょう。
 初めて作るメニューなら「がんばりましょう」とか言えるのですが、働きはじめて何ヶ月も経っているような主婦がそんな感じですからね……ひどいと一年以上働いているのに未だに初心者のような主婦もいますから。自分の家で料理作っているのか?と疑いたくもなります、本当に。
  
 そんなに料理に関して問題があるならば、ネットカフェのように料理に力を入れないでレトルト食品のみにしてしまえばいいと思うでしょう?
 そりゃあそうなんですけどね。店の経営者は料理で他のまんが喫茶やネットカフェに対抗しようと思っているので、料理をないがしろにできないのです。理想と現実には深く険しい溝があるのですよ。