先入観との戦い


コミックのサイズで種類を分けるというのは内容や絵柄を気にしなくていいので誰でもできると思います。
でも、説明したはずなのに間違えてしまう人が必ずいます。


少年コミックと少女コミックを区別するには集英社ならジャンプコミック、りぼん、マーガレットなど、どのレーベルのコミックなのかを判別する必要があります。
しかし、それ以外のコミックは大きさで区別しているだけなので、どんな漫画でも、どの雑誌で連載されていてもB6判のコミックは少年コミックでも少女コミックでもありません。
A5判のコミックも同様です。


店によってルールは違うでしょうが、うちの店では棚に並べるときに上記のルールを基本にしています。
続編であったりした場合は一緒に並べもしますが、基本的に大きさが違えば別の棚に分けられます。
最近「Brother」というコミックが入荷しました。
峰倉かずやという「最遊記RELOAD」を描いている漫画家のコミックです。
サイズはA5判なのですが、なぜか少女漫画の分類をされていました。


確かに普通の書店であればそれで正しいでしょう。*1
コミックリストの記述も少女コミックになっていました。
これだと探すときに新書サイズの少女漫画の棚を探してしまうことになります。
そのコミックを知っていれば、A5判のコミックが並んでいる棚を探しますが、そんな従業員はいても1人か2人です。


どうしても皆さん絵柄で判断してしまうようで、似たような間違いが毎月あります。
絵柄で判断することになると意見の食い違いが出てしまうので、そうしたくはありません。
それに、少年誌と少女誌、青年誌など全てに連載をしたことのある漫画家はどのように分類すべきか問題になります。
CLAMPの漫画はどうすればいいのか問題になりますよ。
出身が少女漫画だから少女コミックでいいとするならば、昔少女漫画を描いていた横山光輝とかも全作品が少女コミックにしなくてはいけません。
まあ、これは冗談ですが……。


店に並べるコミックの区別の仕方を覚えてもらうのはかなり簡単な仕事だと思うのですがねぇ。
出版社を全て覚える必要とかないですし、コミックの大きさを判断する認識力があればいいだけなのに……。
間違えた人にそれを指摘すると「そんな簡単な分け方なの?」みたいな驚き方をしてくれます。
考えなくていい方法にした私の方が間違っているような気がしてきます。

*1:厳密には少女漫画ではなく女性向けコミックだと思いますが……