漫画喫茶用のコミックを集める時の手間とコスト


今から漫画喫茶を始めようと思っている人は、どこかのフランチャイズに加盟するのではないでしょうか。
お金さえ何とかなれば、いい店が出来ると思います。
中には、なるべくお金をかけたくないので、自分で全てやろうと考えている人もいるでしょう。
成功するかどうかの前に、それが実際のところあまりオススメではない理由があります。


漫画喫茶であれ、ネットカフェであれ、コミックは必ず必要です。
最近はネットカフェでもコミックを大量に置いている場合が増えています。
大量というのは3万冊以上のことです。


3万冊のコミックを一箇所に集めると、1.5メートルまで積み上げれば5畳〜6畳あれば収まります。
段ボール箱で換算すると、400箱弱になります。
箱にに入れた場合は隙間などができるので、ただ積み上げた場合より多少スペースが必要でしょうが、高さを増やせば6畳で収まります。


個人的に買い集めたら空き部屋か、レンタル倉庫でも用意すれば問題ないように思えます。
ただ、保管しておくだけならその通りなのですが、集めるとなれば話は違います。
コミックを闇雲に3万冊集めるのではなく、ダブったコミックがないという条件なので、その確認作業が必要になります。
少なくとも、倍の広さの部屋が必要でしょう。


コミックを集める作業では


・リスト作成
・値札シールを剥がす
・全巻または最新刊まで揃ったことの確認
・箱詰め


を最低限やります。


それ以外に


・防犯タグシールを貼る
・店舗印(スタンプ)を押す
・コミックのカバーと本体をセロハンテープで留める
・ブックカバーをつける


を必要に応じてやります。


1000冊程度ならばちょっと頑張るだけで終わりますが、3万冊になると苦行といえます。


仮に、誰の手も借りず一人で集め終わった場合のコミック購入費用は、1冊あたり230円前後でした、以前ならば……。
今現在だと、ブックオフの少年コミック値上げ、ゲオなどのコミックの高価買取をしている新古書店の価格上昇を考慮すると、260〜300円前後が一冊あたりの単価になるでしょう。
あくまで安く買いそろえることが出来ればの話ですが。


1冊300円の場合、3万冊は900万円ないと買うことが出来ません。
それ以外に、保管するための段ボール箱、コミックを買うための車に使う燃料費、セロハンテープ、ブックカバー、防犯タグシールなど、コミックに関する諸経費も考える必要があります。
仮にコミック以外の諸経費は無視したとしても、3万冊を実際に店に出せる状態にする作業の時間は無視できません。


コミックの準備に取られる時間があったら、他の開店準備作業に力を入れた方が賢明です。
専門の業者にコミックを頼んだ場合、1冊あたり400円以上は必要でしょうが自分でやる労力を考えると安くはないですが、高くもありません。
漫画喫茶をやるのは1年以上先で、今からコミックを集めておくというのであれば、自分でコツコツと買い集めるのもいいかもしれません。
それでも、購入資金の900万円はどうにか用意しないといけませんが。


漫画喫茶をやろうと考え、自分でコミックを3、4000冊集めたものの結局業者に頼んだ方が実際にいました。
その方は漫画が好きで漫画喫茶をやろうと思ってコミックを集めていました。
途中で集めるのを断念した理由は知りませんが、広い自宅の空き部屋があったので保管する場所の問題ではなかったはずです。
自分でやるよりも、余分なお金をかけて専門業者に任せると決断したのですから、集めるための手間が予想以上だったのでしょう。