手を抜けばどんな仕事も楽でしょうが……


ネットカフェのアルバイトは楽そうだと思って面接に来る人が多いです。
うちの店は漫画喫茶で、フリードリンクですが食事に多少の力を注いでいます。
レトルトや冷凍されたものを電子レンジで温めて出すようなレベルではありません。
実際、ネットカフェでも本当に全部をレトルトで済ましている店はないと思います。
調理師は必要なくとも調理する人間は必要になっているでしょう。


接客だけをやりたくて、キッチンで調理をするつもりはなく面接に来た人は大抵、短い期間で辞めていきます。
お客として漫画喫茶を利用していて、従業員の仕事が楽そうに思えたのかもしれません。
確かに、見える範囲ではそんなに大変な仕事はありません。
どんな職業でも、お客の目の前ではニコニコしていても、裏では必死にがんばっているものです。


前述の調理も、誰でもできるような簡単なものです。
手順はマニュアル化されているので、覚えてしまえば本当は楽なのです。
ただ、時間は無制限にあるわけではないので、オーダーを処理するスピードは必要になります。
ランチ時間にオーダーが集中すると、手際よく作らないと大して忙しくなくても、自分のせいで忙しくなります。
本当は素早くできない自分が悪いのですが、人数が足りないからだと思ってしまいます。


経営者側はなるべく無駄な人員を削除していきたいので、遊んでいるスタッフがいないように人数を調整しています。
人間というものは、楽な時よりも大変な時の記憶を鮮明に覚えているので、忙しかった時のことばかり思い出し、大変だから人数を増やしてくれと言います。
本当に大変な時もあるのですが、月に1回ほど、どの日にあるのかわからないにも関わらず、毎日余分な人数を増やすことはできないし、しないでしょう。


個人的には、うちの店に限っては、ネットカフェの様にフリードリンクを導入してから、オーダーの数が減り、非常に楽になりました。
その状態で大変ですとか、忙しかったですと言われると、昔は今の倍以上動いていたんだぞ、と言いたくなります。