漫画喫茶とネットカフェ


漫画喫茶とネットカフェは似たような商売です。
全く同じと言ってしまうと語弊がありますが、大雑把に見てしまえば同じものでしょう。


何年か前までは違いが明確でした。
料金設定や設備を比べて同じなのは漫画が置いてあり席料を貰っている点でした。


どちらが真似を始めたのか考えると、漫画喫茶がネットカフェに近づいていったとなります。
ネットカフェは漫画喫茶を参考にしている点があるはずですが、その後における漫画喫茶のネットカフェ化に比べれば些細なことです。


2000年頃の漫画喫茶は漫画が大量にある喫茶店で、料金設定が1オーダー制でした。
1オーダー制とは、入店したら食事かドリンクか何か1品注文します。
その後、決められた時間までその料金のみというシステムです。
決められた時間を過ぎると延長料金がかかります。
もし、何も注文しない場合は席料として一定額を支払うことになります。


漫画喫茶が喫茶店を名乗っているのは、入店したら食事か飲み物を必ず注文していたからです。
その点が入店して何も注文しない場合もあるネットカフェと違います。


複合カフェ協会が設立された理由はプレイステーションなどのテレビゲームをサービスとして提供していたことにあります。
今現在でも協会に加盟せず無許可でテレビゲームを設置している漫画喫茶はあります。
ですが、当時は全ての漫画喫茶が好き勝手に設置し提供していました。
このテレビゲームと漫画、そして麻雀ゲーム機が漫画喫茶に共通するサービスでした。


愛知周辺の漫画喫茶だけかもしれませんが、テーブル筐体の麻雀ゲームを置いてある店があります。
この麻雀ゲームは有料ですが、クレジットが貯まるとドリンク券やサービス券に交換できます。
最近では、麻雀ゲーム以外にスロットマシンも置いてある場合があります。
こちらも同様でドリンク券やサービス券に交換できます。


こうしたタイプの昔ながらの漫画喫茶から時代とともに少しずつ変化していきます。
まず、パソコンの導入があります。
当初はとりあえずパソコンがあればいいだろう的な感じでした。
パソコンの導入に関してはネットカフェの方が上手です。


オンラインゲームが本格的に広まりだした頃から、漫画喫茶のネットカフェ化が始まります。
問題になるのは、料金形態と店内設備を全て変更する必要がある点です。
ドリンクバーを設置し、フリードリンク制を導入したり、パソコン席の増設、席をパーティションで区切った個室にするなど多岐にわたります。
料金を変更するのは簡単ですが、ドリンクバーの設置やパソコンの追加、席を作り変えるなどはお金がかかるのでやろうと思ってすぐ出来ることではありません。


ネットカフェのフランチャイズが各地域に進出してくると、漫画喫茶はネットカフェに対抗すべく形態を変化させるか、潰されるかを選ばなくてはなりませんでした。
場所によっては潰れずにすんだ漫画喫茶もありました。
オンラインゲームを導入し、公認カフェなどになった店は漫画喫茶とはいっても中身はネットカフェとほとんど変わらなくなりました。


漫画喫茶とネットカフェの違いは店に置かれているコミックの冊数だけになりましたが、コミックを重視するネットカフェの登場により差はなくなりました。
時代は漫画喫茶からネットカフェへと切り替わったのです。