コミックが盗まれると……


コミックは新品だと1冊400〜600円ぐらいします。
中古は安ければ105円で買えますが、それ以外は200円〜400円ぐらい必要です。
しかも、人気があって高価買取しているコミックは、新品の金額とほとんど変わらない場合もあります。


5、6年前の話ですが、漫画喫茶でよく盗まれる漫画として「ふたりエッチ」というコミックが有名でした。
実際にうちの店でも盗まれたことがあります。
今でもヤングアニマルで連載しているほどの人気がある漫画です。
人気というよりも成年向け漫画のような描写がかなりあるのでそれ目当てなのでしょうか。
ただ、そういう描写であれば他の青年誌でも似たようなものが結構あります。


漫画喫茶では対策を施していない限り、日常的にコミックの盗難があります。
盗まれるコミックは大抵、内容がエッチなものばかりです。
それ以外にも、人気があり新古書店で高価買取しているコミックも盗まれます。


ですが、たまにマイナーで人気があるのかわからないコミックも盗まれます。
うちで特別人気があるとは思えないのに盗まれたコミックには「看板娘はさしおさえ」「学園革命伝ミツルギ」があります。
考えられる理由としては、大型書店かコミック専門書店に行かないと見かけないコミックだからでしょうか。


コミックが盗まれるのは店にとっては困ることです。
買いなおす必要が発生し、経費が余分にかかるからです。
1冊だけで400円の経費で済めばいいのですが、10冊、20冊と盗まれたらかなりの痛手です。
数千円分の利益を出すにはその何倍もの売り上げが必要になるからです。


でも、もう一度買うことの出来る場合はまだましです。
コミックの中には盗まれたら買い直すのが困難なものもあります。
具体的な名前をあげると「カメレオン」の44巻以降、「爆走兄弟レッツ&ゴーMAX」、「企業戦士YAMAZAKI」の12巻、「ハーメルンのバイオリン弾き」の35巻以降などです。
これ以外にも難しいコミックはありますが、共通している点は絶版であること、該当する巻の発行部数が少ないことです。
上記の漫画はかつて人気があったものなので、発行部数が少ないのはおかしいと思うでしょう。
詳しく言うと長くなるので簡単に説明します。


最後まで人気があって、連載終了後も人気が持続している「ドラゴンボール」「スラムダンク」などの漫画は今でも書店で売っていますが、通常は連載終了と同時にほぼ絶版になります。
最終巻は初版のみだったりするので、発行部数は他の巻に比べて極端に少なくなります。
そのために「1巻などはよく見かけるが最終巻付近がない」という事態になるのです。
特にドラマやアニメで一時期人気があり、連載終了前にブームが去るとその差が大きくなります。


買い直すのが難しいといっても、定価以上のお金を出すのであればオークションなどで買うことはできます。
買い直すのが不可能というわけではありません。
しかし、本来必要なかった経費がかかる上に、買い直すという余計な仕事が増えてしまうのはいやなものです。