まんが喫茶で時々やる仕事

まんが喫茶では店でお客に提供しているコミックを時々修理します。
本を修理するというのは、古書店を経営していたり、働いていたり、古書マニアとかであればやっていることで、私もそういった方々からやり方を聞きました。


実際に教わったわけではなく、こういったやり方があるという話を聞いただけなので結構適当です。
それでも役にはたっているので何事も覚えておくものです。
修理といっても単純にページが抜け落ちているコミックをなおすだけです。



コミックに限らず、本は開きすぎたり雑に扱うとページが取れてしまいます。不特定多数の人が読む場合はコミックの消耗が激しく、よく読まれるコミックはボロボロになります。
表紙などの消耗は、透明のブックカバーを付けることで防ぐことができます。しかし、ページ抜けは防ぎようがありません。


少年コミックでは特に秋田書店のチャンピオンコミックがボロボロになりやすく、その中でも人気がありよく読まれるコミックはページ抜けどころかコミックそのものがバラバラになってしまいます。
横山光輝三国志潮出版社)もボロボロになりやすいので何度か買い換えています。


修理の方法は木工用ボンドでページを接着するだけなので、非常に単純です。
誰でもできます。


問題が一つあるとすれば、抜け落ちたページが
「何の漫画の何巻の何ページなのかを判別できるのか」
という点です。
まあ、ページ数は下の隅に書いてあることが多いので問題ないとして、何の漫画の何巻なのかは正直、人によっては難しいところです。


ちなみに写真の抜け落ちているページは、実際に店で誰かスタッフが拾っておいてくれたものです。
以前は拾って何の漫画かわからないと捨ててしまうような人がいたので非常に困りました。




今回は難易度が低かったので、何の漫画かすぐにわかりました。
それぞれ「多重人格探偵サイコ」と「ゴルゴ13」です。


多重人格探偵サイコ」は「ルーシー7」という単語とバックが黒で白抜きのタイトルから一瞬で判別できました。これに関しては「多重人格探偵サイコ」を何冊か読んだことがあったのが大きいです。
「ゴルゴ13」はまず、絵柄で「さいとうたかお」だとすぐにわかるので、あとはどの作品なのかを判断すれば問題ありません。抜け落ちていたページは現代を舞台にしているようなのでまあ、十中八九「ゴルゴ13」だろうと推測できます。他にも色々作品はありますが、ゴルゴっぽいオーラが出ているので間違いないでしょう。


多重人格探偵サイコ」の何巻かという点は「FILE:26」と書いてあるので26話が収録されているのが何巻か調べるだけなので4巻辺りから調べていけばわかるでしょう。
実際に、5巻だということが判明しました。
「ゴルゴ13」ちょっと面倒です。「アカプルコー散華の夜ー」というサブタイトルがページの上に書いてあるのでそれを手がかりに調べますが、100巻以上を調べるのは勘弁してもらいたいものです。
そこで、Googleで検索したら、一発で41巻だと判明しました。


こうやって書くと簡単ですが、前提条件として絵柄で何の漫画か判別できるかが必要です。
コミックの中には、ページの上部にコミック名と巻数が記入されているものもあるので、その場合は何の問題もありません。全てがそういう漫画ではないし、ページの端まで絵が描いてあるペ場合はやっぱり絵だけが手がかりなります。


この絵柄を判断する力は一朝一夕で習得できるものではないので、一番の近道は漫画を読むことです。