漫画に関する常識  

 当たり前だと思っていることが、実は当たり前のことではないとわかっても認めることは難しい。
 まさか、少年コミックと少女コミックが区別できず、新書判サイズのコミックとB6判サイズのコミックの判別もできず同じ大きさだと思っているなんて、信じられるものではない。
  
 まんが喫茶で働いていれば、嫌でも漫画に囲まれて仕事をするわけで、自然と漫画に詳しくなるものだと思っていますが、現実はそう単純ではないわけです。
 漫画に微塵も興味がなければ、どれだけ長期間働いていても詳しくならないのです。もしかしたら、微々たるものではあるが知識がついているかもしれないけれど、普通に漫画を好きな人であれば持っている知識は常識なので評価に値しないと判断します、私はね。
  
 私が常識だと思っている事は、コミックスにはレーベルと呼ばれる種類があり、それは基本的に連載されている雑誌の名前で決められている。つまり、コミックにレーベル名が書いてあれば連載されている雑誌がわかるのです、たとえその瞬間まで読んだことがなくてもね。
 そして、少年コミックと呼ばれるジャンルに含まれるコミックは基本的に新書判サイズである。そのうち9割9分は4社の出版社(集英社講談社小学館秋田書店)で占められており、それ以外を覚えておく必要は特にない。
 少女コミックも基本的に新書判サイズで、9割9分は6社の出版社(集英社白泉社講談社小学館秋田書店角川書店)で占められている。
  
 コミックを発行している出版社は数多くあるが、集英社講談社小学館の3社はレーベルも含め覚えている必要がある。それ以外の出版社はレーベルが1社につき1〜2種類の場合が多いので出版社名だけ覚えれば問題ない。秋田書店をそれ以外に分類した理由は、他の3社ほどレーベルがない事とコミックの量で比較した場合、主な3社より劣る為だ。
 出版社名だけ覚えていればいいと言っても、男性向けコミックと女性向けコミックのレーベルは判別できなければ困る。レーベルを覚えられなくても、絵柄で判断できると思い上がった店員がよく間違えてくれるのです。かわいい女の子が表紙に描かれていると女性向けだと勝手な判断をすると罠にはまります。私からすれば罠でも何でもないのでなぜ間違えるのか理由を知りたい。
 たとえば、角川書店のコミックなどは間違えられやすいみたいです。かわいい女の子が表紙に描いてあるからこそ男性向けなんですよね…………常識だと思っていたんですがね。
  
 そういえば、月刊コミックゼロサムという雑誌がありますが知っていますか?
 この雑誌って分類上は少年誌なんですが、連載されている漫画の内容とか系統がどう見ても女性向けなんですよね……新刊のコミックも書店では女性向けコミックの場所に並べられている事がほとんどだし……。
 雑誌が創刊された当時、雑誌の陳列されている場所が少年誌の場所だったり、女性誌の場所だったり、両方だったり、店によってまちまちだったのを覚えています。今でも全部の書店で統一されている様子はないし……ね。
 何か大人の事情的な理由なんでしょうが、私の働いているまんが喫茶では女性誌として扱っていますよ。
 誰がなんと言おうとね。