毎月のコミックを漫画喫茶はどうやって仕入れているのか?


答えは、専門の業者に委託しているのです。


中には、自分で書店に買いに行ったり、近くにある書店に頼んで配送してもらったりしている場合もあると思います。
でもほとんどの漫画喫茶は、取次に頼んでいます。


取次、といっても大手のトーハンや日販のことではありません。
書籍版倍取次を業務としている会社という意味なので、名前を聞いたこともない会社のはずです。
ネットで「漫画喫茶をはじめるサポートをします」と呼びかけているところは、この書籍販売取次業をしているか、業務提携などをしています。
していなくても、漫画喫茶専門の業者を紹介してくれるでしょう。


今はどうか知りませんが、以前この大手でない取次が漫画喫茶にコミックを卸しているのを内緒にしていると聞いたことがあります。
どこに内緒にしているのかは聞いていませんが、おそらく出版社か、トーハンや日販などの大手取次に対してでしょう。
漫画喫茶は出版関係からの風当たりが強いので、漫画喫茶に卸していることが知られると本をまわしてもらえなくなるのではないでしょうか。
その会社は漫画喫茶以外にも卸していました。
もし本をまわしてもらえなくなったら、困るのは間違いないでしょう。


そんな感じなので、店に送られてくるコミックもたまに欠品があります。
最近だと「トリコロMW-1056」の1巻が発売日に入荷しませんでした。
角川グループのコミックはなぜかこういうトラブルが多いです。
BL系の本も出版社に関係なく入荷しないことがあります。


すぐそばの書店でも売っているのに入荷しないのは明らかに取次の力が足りないからでしょう。
大手なら簡単に確保できる本でも弱い取次では必要な数すら確保できないのです。
顧客に対して本音を言うことはないでしょうから推測でしかありません。
でも、ある程度出版に関する知識をもっていれば予想できる内容です。
前述の会社では顧客から本が届いていないというクレームが来ると、他の書店やコンビニで本を買って届けるそうです。
これが本当だったと確信しているのは、いつもはコミックにスリップが付いているのに、クレームを入れた時に届いたコミックにはスリップが付いていなかったからです。


たまに、自分たちで本を買ってきたほうが早いなあと思います。
それでも業者に頼んでいるのは毎日必要な雑誌やコミックを買いに行くのは面倒だからです。
近くの書店に頼んでも配送してくれるかは疑問ですし、ジャンプが発売日の午後や夕方にならないと置いていない漫画喫茶にお客は来ないでしょう。